外資金融の実態がわかる記事をまとめてみた
謎の多い外資系金融機関。その内部がイメージしやすい記事をまとめてみました。お金の話やワークライフバランスの話が多いですねー。
新卒内定者
リア充社員
欧州系証券会社に勤務。朝は早いが帰りも早い。っていうか撮影場所、自宅?どんな暮らしだよ…羨ましすぎる。
外資金融の給料
食のことしか書いてないやん!
普通の人が誕生日にしか行かないような店に、普通にフラッと行く生活をしてるんでしょうね。
ライターはメリルやパリバでの勤務経験もあるプロのジョブホッパー山崎元。
いろんな意味でエッジが立ってる
「入社前はGS=ガソリンスタンドだと思っていた」
なんかゴールドマンの女の子ってこういう子が多い。
「さすがにTシャツでは即解雇」←これは名言かもしれないな…
外資系金融マンのブログ
ふうん。
個人的に好きなブログ。上の記事で紹介されてないけど、こっちの方が断然勉強になる。金融以外の話も多いけどcheckしてみてください!
▼鉄板はこれですね。半分くらいは本当のことが書いてあります(半分かよw)。
▼でもやっぱ黒木亮ですよね〜
外資系金融マンがユニクロを着ない理由
ネットを見ていると、ユニクロや無印は「質が良い」「コスパが良い」と言われています。今年注目のアイテムはすぐ売り切れになってしまうとか。
しかし私は疑問です。だって、ユニクロは資産価値ゼロじゃないですか!
ユニクロはゼロ円
ユニクロの価値は低いと思います。
ZOZOTOWNでは買取不可ですし、古着屋でもほとんど値が付きません。少なくとも半年も過ぎればほぼ価値はないでしょう。
ここで問題です。
ユニクロのTシャツが5枚で1万円。メゾンキツネのTシャツは1枚で1万円。古着屋で高く売れるのはどちらでしょうか?
正解はメゾンキツネですね。ユニクロには価値はつきません。
燃費のいい服、悪い服
私の同僚は、何十万円もする上等なコートを着ていますが、もう10年以上着ているとのことです。
しかも、まだまだ綺麗。将来は子どもにあげたいと言っています。
これって「いい買い物」ですよね。
1万円のユニクロのコートを毎年買う人とどちらがいいでしょうか。
モノの価値は減価償却と将来価値で考える
今までに紹介してきた考え方は、金融マンなら誰しも持っている考え方です。
例えば、減価償却。会計の世界では、ものの価値は時間とともに減っていくとされています。簡単に言うと長く使えるものは良いものなのです。
なので、ユニクロであっても長く使えるなら良いものと言えます。
また、投資の世界では、将来価値という考え方もあります。
ものによっては、将来ビンテージものとして一層価値が付く場合もありますから、「いいもの」が高いのはリーズナブルなのかもしれません。
じゃあ外資系金融マンはどうなんだよ
ユニクロで服を買うのはイケてない…と力説してきましたが、
じゃあ外資系金融マンはどうなんだという話。
えっとですね。
毎年10万円のコートを買ってますね。
で、高く売ってるのかって?いや。
会社のロッカーに置きっぱなしで処分されたりしてます。
なぜ決済系スタートアップが増えたのか
とうとう日本でもITを活用した決済サービスが賑やかになってきました。(やったー)
私は現金を持ちたくないタイプなので、Apple Payの登場はほんとうにありがたいです。さらに、Stripeも日本に本格参入しました。わずかなコードを挿入するだけで決済機能を組み込める画期的なサービスです。
この流れに続けと、国内でも決済Fintechの熱が高まっています。例えばこんなプレーヤーがいます。
Coiney(コイニー)- お店の決済をかんたんに。 | Coiney
どんどん決済が簡単になりますね。最高!
さて、では決済Fintechとはどんな仕組みなのでしょうか。なぜ既存の金融機関ではなくスタートアップが活躍しているのか。その実態に迫ってみましょう〜。
決済の仕組みを作ったわけではない
決済サービスは画期的です。例えば、スマホをスワイプするだけで友だちにお金を送ることができます。はたまた、B2Bにおいては入出金漏れを防いでくれそうです。
なんかチョー未来!Fintech万歳!
しかし実際は、全然大したテクノロジーではありません。というのも、実際の作業(資金の移動)は結局、既存の金融機関が行うからです。
図にすると、決済サービスってこんな感じですよね。ユーザーからするとスムーズにお金の移動が行われたように感じます。Fintechスゲー!でも…
実際の金融業務は銀行やカード会社が執り行っています(下記の図を参照)。こうしたサービスは「決済代行業務」といい、すでに存在するビジネススキームです。
Fintechサービスはなんら新しいことをしているわけではないのです。ユーザーに見える表側を”いい感じ”にして、あとはデータのやり取りをするだけ。
お金の立て替えをしたり、些末な手続きをするのは金融機関です。もちろん、金融機関とデータを連携させるのは大変なのですが…そういった話はまた今度。
スキームとしてはただの決済代行なのです。
法律の緩和が決済スタートアップを生んだ
決済サービスはそんなに難しいものではありません。ではなぜ、今までそのようなサービスが登場しなかったのでしょう。一番の理由は法律などの規制にあります。
例えば、ユーザーのお金を預かることは出資法で禁止されています。また、銀行法により、為替は銀行しか行うことができません。
ほかにも、BIS規制にFATCAなどなど、法律以外にも様々なルールが存在します。
金融犯罪などを防ぐためだから仕方ないのですが、お金のやりとりを仲介するというのは、どの国であってもハードルが高いことなのです。
しかし、IT/Webの発展とともに、アプリ内でコインを買わせてそれをユーザー同士で交換させたりするような新しい資金の流れが生まれました。
そこで、金融機関以外のサービス提供者のために成立したのが資金決済法です。
これにより、100万円以下の資金移動は金融機関でなくても行えるようになりました。うおおおお!
*しかしこの法律も厳しいものです。先日、LINEがアプリ内通貨(コインやポイント)に関して供託金を支払っていなかったことで事件になりました。。詳細は今度書きたいと思います。
スタートアップじゃなきゃできない
このような動きが進む中で、金融機関以外の企業であってもお金を扱えるようになった。さらに、金融機関はイノベーションが起こしにくい体質です。Webやアプリの知識がゼロですし、規制に縛られているので、新しい取り組みができません。
(GitHubもMacBookも…Chromeさえないよ!)
同じく、金融系ITサービスプロバイダーも同様に規制や契約により、自由に動けない状況に陥っています。
じゃあ誰が決済サービス作るの?
スタートアップでしょ!
決済サービスを作るならベンチャーの方が圧倒的に有利なのです。実際に、設立間もない会社でも、決済系スタートアップであれば銀行は喜んで出資しているようです。
決済サービスをスタートアップが担うというのは、銀行にとってもスタートアップにとってもWin-Winなのです。
というわけで、スタートアップと金融機関はしょっちゅう交流会をやって、ばんばんタッグを組んでいるわけです。これが表題の「決済系スタートアップが増えた理由」です。。
金融用語「カストディアン」とはなにか
金融機関にいると毎日耳にする「カストディアン」。これって一体なんなんでしょう?
ググってもよくわからない〜という方のために解説します。
カストディアンの基本知識
Custodyとは、元々の意味は、後見人としての保護義務のことです。
簡単にいうと、親の代わりに子どもを預かる義務のこと。子どもを預かる人のことをカストディアンというわけです。
金融でいうなら、代理人として有価証券を保護管理するってことです。
仕事のことをカストディ業務、やる人のことをカストディアンといいます。
なぜカストディアンが必要なのか
例えばアメリカの債券を買います。すると、アメリカにお金を送って、権利書を受け取ります。
でもこれってかなり大変じゃないですか?
ちゃんとアメリカから送られてくるとは思えないじゃないですか。破れてたりしそう。注文通りの数が届くかも疑問です。輸送中に盗まれたらどうする?
だいたい、債券だろうと株だろうと結局すぐに買ったり売ったりするんです。
それなら、現地に代理人がいてくれればいいじゃないですか。
そこでカストディアンを活用するわけです。
国内のカストディアン
国内であっても、代理人に預けちゃうほうがラクです。金融商品を持っているとなにかと手続きも必要ですが、ぜんぶカストディアンがやってくれます。
そこで活躍するのが主なプレーヤーが保管振替機構(ほふり, JASDEC)です。株券はここに預けちゃう。
国債(JGB)も、日銀(BOJ)に預けときましょう。これを国債振替決済といいます。フリケツと呼びます。マジで。
海外の有価証券が欲しいときは外資系金融機関にいけばよいのです。ほとんどの外銀がカストディアン業務をやっています。
アウトソースとしてのカストディアン
元々は有価証券を預けるだけだったカストディアンですが、預けちゃったほうがいろいろラクだね、というのが現在です。
証券はもう紙ではなく電子データなので、海外とのやりとりはラクになったはずです。
それでもカストディアンが魅力的なのは、煩雑な手続きとかも全部やってくれるという点です。
そこでカストディアンは有価証券のデータバンクのようになりつつあります。
また、保管管理決済すべてのバックオフィス業務をこなせるようになってきています。
つまり、カストディアンは、バックオフィスの代行業者となりつつあるのです。
FinTechの発展と絡めて、どのように進化していくのか楽しみなところです。
長時間労働問題を議論する前にまずコンプライアンスでしょ
いま労働問題であーだこーだとインターネッツが騒がしい。アンチ残業の人、好きで残業やってる人、様々だ。でも僕が純粋に疑問なのは「なんでサビ残前提なの?」ってこと。そもそもコンプライアンス的にアウトなのでは。
残業代を払わないのは違法行為
うちの会社では、残業代は必ず支払われる。僕は月に200時間ほど働いているが、少なくても15万ほど残業代としてもらっている。もしも深夜残業をしたらとんでもない給料が出そうだ。
法定労働時間は一日8時間。
それを超えたら、時間外労働。深夜労働。休日労働。
当たり前ダロウ。
ちなみに、フレックスやみなし残業制の会社であっても残業代をカットするのは違法行為だ。
残業代を節約したい→生産性アップ
しかしながら、残業代の青天井は莫大なコストとなる。企業としてはなるべく削りたい。そこで、生産性が重視される。
うちの会社では、もしも恒常的に残業している人がいたら、労働内容をチェックされる。無駄な作業ばかりしていたら改善命令が出る。改善できなければクビ、もしくはほかの人に業務が移管される。
この前、残業ばかりしていた事務のおばちゃんがペナルティとしてパソコン教室に通わされ、ショートカットキーをマスターして帰ってきた。
飲みはリスク
僕は会社の人とほとんど飲んだことがない。海外からゲストが来たら美味しい和食や夜景スポットに連れて行くが、17:00スタートで早めに切り上げる。ゲストを深夜まで振り回すのはマナー違反だ。
それに、交際費は会社に報告しなくてはいけないのだが、まず上司に厳しくチェックされる。もしもコンプラに怒られるのは上司だからだ。
「2万円のコースのわりに高いねぇ?ああ。良いワイン開けたの。え?白?なんで肉料理に白なの?」
と問い詰められたこともある。料理に合うお酒を飲んでいるかどうかまでチェックされるとは。
それに、宗教がある人、家庭がある人、さまざまだ。それに、飲み屋では仕事の話は厳禁だ。
そんなこんなで、リスクしかない。割にあわないから、バンカーたちはあまり飲み会に行かないのだ。
会社からは毎年チーム懇親会の費用が支給されるが、ほとんどの場合ランチで消化される。ウェルカムランチ、フェアウェルランチ。一人5000円。けっこういいぞ。
人が死んだら議論の余地なし
最後に。人が命を落としたら、もう議論の余地なしだ。これは世界共通の倫理観だと思う。外資系金融は、少なからずテロなどで同僚を亡くしたことがあるものだ。
そんなときは社内Webサイトに追悼の文面を載せるし、場合によっては黙祷を捧げることもある。社長がコメントし、全社員が悲しむだろう。
当たり前だろ??
もしも今、電通マンがふつーに仕事してたら引く。軽蔑する。
ドイツ銀行についてざっくり説明
「ドイチェやばい」
ドイチェやばい、は前から言われていたことだ。
東京オフィスでもここ数年、人材の流出が止まらない。最近1兆円の罰金を完済したパリバと比べると、今回のドイチェの1兆円損失は経営ミスでしかなく、ほかにもなんかでてくるだろうなぁという印象。
そんな中、みんなの思った通り、次々とマイナス材料が出てきているというのが現状だ。
それでは、ドイチェのやばさについてみてみよう。
ドイツ銀行の体力
ゲームでいうならHPが8兆円、と理解していいんじゃないかな。これがゼロになればゲームオーバー。去年くらいからガリガリ削られている。
ドイツ銀、中国投資に失敗
事の発端は、2012年頃のギリシャ危機。欧州マネーが行き場を失った。
そんなときブイブイ言わせてたのが中国で、ドイチェは真っ先に中国客を狙ったのだった。
中国はバブルだし、一般的な金融商品でデフォルトしたことがない。
だがデフォルトは起こった。ドイチェの上客、華夏銀行だ。投資家への被害は食い止められたが、ドイチェがリスクを被ることになった。総額7000億円のダメージ!
ドイツ銀、デリバティブしすぎだってよ
ドイチェといえば、おとなしい欧州系の中でも米国と張り合ってきた「攻め」の銀行。リスキーなデリバティブが大好きだ。
デリバティブは未来に投資する先物。さらに元本よりも大きな金額を賭けられる特性(レバレッジ)がある。儲けもリスクも大きい金融商品だ。
よりにもよって、ドイチェはかなりの額を中国に突っ込んでいるという。その額、数兆円とも数百兆円とも言われる。
なんでそんなリスキーなことをしたかというと、ドイツが国をあげて中国市場を狙ったからだ。メルケルがやれって言ったのだ。メルケルが!
パナマ文書と火消し
すべてが明るみになったのはパナマ文書だった。
あれ?ドイチェと付き合ってる中国の会社、やばいとこばっかじゃね??
とうとうドイチェは訴訟訴訟の毎日になってしまった。客が「どういうことやねん」と叫びだしたのだ。
客は集団で訴訟を起こしたり、各監督庁にチクったりした。どの訴訟も、負ければとんでもない罰金が待っているが、そもそも訴訟費用だけで何千億円のダメージ!
そこに最後の大打撃。どうやら米司法省が要求する罰金が1.4兆円らしい。。
もはやHPが半分くらいになるのは誰の目にも明らか、という感じだ。
不安による負のスパイラル
もうドイチェがかわいそうなんだけど、最後にもうひとつ。
潰れそうな銀行の債権はけっこういい利回りで売れるのだ。これが銀行同士で売り買いされている。詳しくはバーゼルⅢを検索!
この劣後債は潰れそうな銀行のHPを回復させ、リスクを分散する効果がある。
ただ、あまりにもリスクが大きいと買い手がつかない。
そういうわけで、みんなでドイチェ菌ゲームをやっている状況だ。イジメ反対!
誰かがドイチェに道連れにされるか、あるいはみんなで仲良くダメージを食らうか。
不安がどんんどん負の方向に向かわせる。
まとめ
外資金融のオペレーションズとはどんな仕事か
今日はなかなか知られぬオペレーションズ(業務部)の実態に迫ってみたいとおもいます!
オペレーションズといえば「決済のおばちゃん」
オペレーションズというと、おばちゃんがたくさんいるフロアって感じですね。トレーディングフロアがアルマーニをまとったゴリラだらけなのに対して、オペレーションズのフロアはカーディガン着たおばちゃんばかり。
業務をする部署ですから、客に会うことはめったにないのです。
フロントの女性は派手な格好をしていますが、業務部門ではその必要はなし。
金融機関の内部では、オペレーションズといえば、決済をやってくれるおばちゃんがいるところ、というイメージかもしれません。
給料が良くて比較的ラク
おばちゃんが多いということは、結婚や出産後も続けられる仕事ということです。フロントは超激務ですから、夫のサポートやベビーシッターが必須です。
それに比べると、オペレーションズは日々の業務時間もきっちり決まっているし、それゆえ休みも取りやすい。
さらに、給料は外資水準なので日系とは比べ物になりません。新卒でも初月から35万くらい、ベテランの方は年収1,000万円を超えます。
カーディガンを着たおばちゃんでも、旦那さんも外銀マンということで都内のタワーマンションに住んでいる方が多いです。
バックオフィスのお仕事とは
オペレーションズの中にもいろんな専門チームがありますが、メインの業務は「決済」です。つまり、お金の受けと払い。…といってもイメージしにくいですね。
どういうことか、順番に説明します。
- まず、フロントオフィスがディールする。
- その後、ミドルオフィスが担当者たちと連携して仕事を分ける。
- そしてバックオフィス(オペレーションズ)が指示通りに決済を実行する。
金融のトレーディングって、額が大きいですし、日銀や金融庁など各種機関と連絡したりする必要があるのでどうしてもめんどうな処理が多いのです。
だから、決済をするための専門機関が必要なのですね。
金融業務をやるためのスキルセット(適性)
オペレーションズとして働くためには、まずストレス耐性があること。
ストレスにもいろんな種類がありますが、業務部門の場合「早くしろ、絶対にミスするな」というストレスが大きいです。ゼロの入力を一個間違えるだけで10億円が100億円になってしまう、ということは日常茶飯事です。
そして様々な専門用語を理解する能力。カーディガン着たおばちゃんたちも「バック・トゥ・バックでホンシャンのアクルーアル流しました〜」みたいな意味不明な言葉を話します。「バック・トゥ・バック」を調べても、具体的なやり方や、なぜそれが必要なのか、ということまで理解するのはけっこう大変なことだと思います。
オペレーション向きの性格の人でも、教科書に書いてあることしかできないガリ勉タイプの人はすぐに辞めてしまいます。
以上、バックオフィスのメイン部署、オペレーションズの説明でした。
▼金融業界がよくわかる良書。どの本よりもオススメ。
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