フィンテック関係者がガッカリした伊勢志摩サミット
今日の日経平均はガガガっと下げてのスタート!G7サミットに対する失望売りと見られている…らしい。
金融機関でフィンテックをやってる者としてはとっても残念な出来事でした。
なぜなら、これが日本におけるフィンテックの遅れをはっきりと宣言するものだったからです。ゴゴゴ…
フィンテックってサミットに関係あるの?
今回のG7サミットでは、21,22日に財務大臣・中央銀行総裁会議がありました。実はここで、開催国日本に対してある期待がされていたんです。
それが「銀行法改正」。
フィンテック推進のために銀行法を改正しよう!
この改正案は、はっきり言ってしまうと金融機関がIT企業を買収できるようになるようにするというもの。
これが実現できれば、フィンテックベンチャーがどんどん生まれるし、銀行ももっと早く新しい技術を取り入れて進化していけるようになるはず。
フィンテック先進国への第一歩!
だから多くの金融関係者、フィンテック関係者は先週末の会議に対してとても期待していたのです。
バズワード止まりのフィンテック
現状のフィンテック(と呼ばれているもの)は、単なる家計簿アプリです。ビットコインもまだまだ中央銀行には敵いません。
個人レベルだし小額すぎて社会へのインパクトゼロ。。ただのバズワードと思われても仕方ありません。
そもそも今のままフィンテックを推し進めることがオカシイと思います。現状金融システムの「決済」が圧倒的に遅いからです。ここを改善しない限り、どんなに金融まわりのテクノロジーが発達しても有効ではないのです。
ちょっと話が逸れますが、そのことにも触れたいと思います。
今の金融システムでは3日もかかる決済
金融業界は常に最新技術に投資しているので、トレーダーは高速で株の売買が可能ですし、常にマーケットはモニタリングされています。
ですが、決済は相変わらず日銀に握られ、「一旦締めてから差額を交換する」というやりかたをとっているんですね。
そのため、どうしても1営業日必要。さらに海外取引や為替に関わるものはサンチェイス的に世界中に影響していくので、プラス1営業日。
今どき、データのやりとりに最低2日もかかっている!
これがフィンテックのボトルネックになっている。もしも決済が高速で実現できれば、エンタープライズ領域のファイナンスが活発になるでしょう。
金融機関の人間としては、まずは決済を刷新すべきだと思います。仮想通貨はその次じゃないでしょうか。
市場は未来を予言する
最後に、なぜ今日の日経平均にガッカリしたかという話。
市場は未来を予言すると言われているんです。
第二次世界大戦での日本国債価格の額面割れなどは日本の敗戦を見通していたと言われていますし、金融機関は政府よりも早く情報を仕入れていたと言われるほどです。
だから、今回の日経平均ははっきりとG7に対する失望を表していたんじゃないかと思うのです。日本のフィンテック後進国への予言にならないことを祈るばかりです。。
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