金融業界に入る前に読むべき本〜勉強のすすめかた

名門ゴールドマンサックスですらレイオフが当たり前の時代。金融業界では生き残る力が必要です。ぶっちゃけ金融とかよくわかんない、という学生・新卒のみなさん。ぜひ、金融業界の門を叩く前にさらっと勉強しておきませんか?

投資銀行を経てファイナンスアドバイスに従事する筆者が、おすすめの勉強法をご紹介します。f:id:BestRgrds:20160529211603j:plain

 

頭カラッポでOK!まず証券外務員に合格しよう

証券外務員二種であれば誰でも短期間で取得可能です。1ヶ月もみれば十分でしょう。さっさと取りなさい。会社に言われてから取るようなもんじゃないです。さっさと取りましょう(二度目)。

本当に簡単に取得できる資格なので、外務員資格が不要なポジションで採用された人もチャレンジした方がいいと思います。いつ必要になるかわかんないから!(経験談:筆者はIT要員として金融業界に入りましたが、金融業務やアルゴリズムトレードにアサインされることに)

勉強のやり方は、ひたすら問題を解いて解説を読む。それだけ。車の免許の試験と同じようなイメージです。参考書の丸暗記などは不要。まずは脳みそを金融の世界に慣れさせることが大切です。

おすすめは以下の本。わかりやすい。外務員試験はコンピュータテストなのでいつでも受験できます。早速応募して、1ヶ月間だけ集中してさっさと取得する!それくらいのノリとスピード感でいいと思います。

 

 

 

金融史は金融を勉強する一番の近道

さて。資格を取得しても、ぶっちゃけ金融なんてよくわからない状態だと思います。デリバティブって結局なんなんだ…みたいな。しかもこの状態で証券アナリストなどの上位資格を目指すと、余計にわからなくなっちゃうんです。計算とか多いし。そこでおすすめしたいのが下記の軽めの本を読み通しておくことです。

 

まずは金融史を学ぶことをオススメします。なぜなら、どのように金融のルールが出来てきたかがわかるからです。

歴史的背景がわかるようになってくると、ポイントが掴めるので難しい言葉を丸暗記する必要がなくなる。新しい知識もどんどん吸収できるようになります。

こちらの本を読むと、金融の本質がわかります。ベテラン金融マンもこれを読んで唸っています。てか、フツーに面白い!出張でシティオブロンドンに行く前に絶対呼んでおきたい名著。

 

 

 

ファイナンス(財務)こそ金融の醍醐味

歴史の次に勉強すべきなのがファイナンス。企業がどのように資金を必要としているのかというメカニズムを学ぶことができます。いわゆるFA(ファイナンスアドバイス)も金融機関の立派な仕事ですよね。「資金を集められれば大儲けできるんだけどなぁ」という企業のために、知恵を貸し助言するのがFAです。

ギリシャが破綻せず生き残ったのは、ラザードという超名門投資会社がFAを務めていたからです。

 

では企業はどのように資金を調達するのか。債権や株式をどのように発行するのか。金融機関のシンジケートとは何なのか。どうすると誰が得をするのか。

こうしたことを理解することがファイナンスの根本的な理解に繋がります。

 

下記の本は業界内で読んでない人はいない、というくらいの名作です。たまに読み返しても勉強になる。分厚い学術書を読むよりも絶対こっちのほうがいい。 

 

 

 

 アカウンティング(経理)は金融の攻略本

次のステップでおすすめなのが、お金の動きをどのようにとらえるのかを学ぶこと。率直に言うと複式簿記です。大きな会社になってくると、お金は単純に足し引きだけで計算(単式簿記)していては実態がつかめないのです。そこで東インド会社の発展とともに世界に広がったのが、複式簿記です。

 

これがわかると有価証券報告書が読めるようになります。また、システム部門の人にとってはどのようにデータを処理するのかがわかるようになります。

ただ、貸方/借方(デビ/クレ)だの勘定科目だのを暗記するところから始めると絶対に躓きます。つまんないから。簿記は大切だけど、金融マン全員に必要かというと、そうでもないと思います。

それよりも、実際の財務諸表を見た方が面白いです。下記の本は、まさにそんな本。実在する企業の有価証券報告書を読む本。実践的だし面白い。これをきっかけに経理や会計についての知識を深めていくのがいいと思います。

 

簿記を学べる漫画もあるのだ。

 

実際の業務イメージをつかもう

お金を扱うことの重要さがわかってきたと思います。最後に、これをどのように仕事に活用していくのかを学ぶといいと思います。

大ベストセラーなのでもうすでに読んでる方もいると思いますが、これを読み返してみてください。僕も何度読んだことか…。 オススメです。外資系金融マンの仕事、マーケットに対する見方がわかります。

 

 

日系に行く人はこれもアリ。古き良き野村の日々が生々しく描かれています。新人時代の話など、今読んでも刺激になりますし、純粋に面白い。ただ、野村を追いやられた方の本なので、後半からは愚痴や言い訳のように感じる記述があるような…でも前半は本当に面白い!

 

外資に行く方は是非こちらを。野村證券と同じく自伝的書籍なのですが、全然違ったテイストです。外資金融出身者からしても生々しく、勉強になると思います。個人的には野村の方が好きです。

 

 

その他おすすめ書籍

世界的に物価が上がってますね。この煽りとしてレイオフが発生したり、私たちの仕事が不安定になっているわけです。でも日本のメディアではインフレを正しく理解するのは難しいかと。これは新書ですが、著名な経済学者の解説ですので非常に明快です。