仮想通貨と電子マネーの違い
中央銀行が介在するか
まず簡単に認識合わせをしましょう。僕たちはお金を銀行に預けますよね。そして銀行は日銀に預けている。そうですね?
すると、日銀が停止すれば銀行も停止し、僕たちはお金を引き出せなくなります。
僕たちのお金は最終的には中央銀行に握られているのです。これが現在の通貨システムです。
このシステム上で成立しているのがクレジットカードやローン、そして電子マネーなのです。
電子マネーのシステム
電子マネーは、カードとまったく同じ仕組みで成り立っています。デポジットされた現金や銀行預金ありきで出来ています。
ユーザーが買い物をしたら、その金額を銀行から引き落とす。
そうです、既存の金融システムと同じように銀行ありきのシステムなのです。
仕組みとしてはなんら新しいものではなく、電子マネーもクレジットカードも「インターフェイス」でしかないのです。
仮想通貨は何でできているか
仮想通貨は「暗号通貨」とも呼ばれています。
電子マネーは究極的には円やドルなどの中央銀行券ですが、仮想通貨は究極的には暗号です。
ちょっと脱線しますが、貨幣はかつて家畜や農作物でした。それが金銀になり、コインになった。今では紙切れになりました。1万円札の原価は40円だそうです。
それでも僕たちが安心して取引できるのは中央銀行がコントロールしているからです。
人類の歴史を振り返れば、信用さえできれば(その仕組みがあれば)何でも通貨になると言えそうです。
仮想通貨は「暗号」を信用しようという試みです。
中央銀行にコントロールされているか
先ほど記述したように、日本円は日本銀行によって保障されています。
一方、仮想通貨はお互いに暗号を掛け合うこと(ブロックチェーン)で信用が作られています。
この特性上、仮想通貨には中央銀行がありません。基軸通貨もありません。
仮想通貨は日本円でもUSドルでもないので、海外と取引するときに、海外通貨に両替する必要がありません。
まとめ
電子マネーはブロックチェーンがありません。元は中央銀行券であり、現金のデポジットか銀行預金が必須です。既存の金融システム上に成り立っています。お財布ケータイもスイカも、結局は日本円です。
仮想通貨はただの暗号です。モノを買ったり換金できる暗号です。中央銀行がなくても信用できるのは、ブロックチェーンがあるからです。銀行も為替もありません。新しい通貨です。
電子マネーは円とほとんど同じ、仮想通貨は円と別物であり暗号で出来ている。こんな違いがあるのです。