ドイツ銀行についてざっくり説明
「ドイチェやばい」
ドイチェやばい、は前から言われていたことだ。
東京オフィスでもここ数年、人材の流出が止まらない。最近1兆円の罰金を完済したパリバと比べると、今回のドイチェの1兆円損失は経営ミスでしかなく、ほかにもなんかでてくるだろうなぁという印象。
そんな中、みんなの思った通り、次々とマイナス材料が出てきているというのが現状だ。
それでは、ドイチェのやばさについてみてみよう。
ドイツ銀行の体力
ゲームでいうならHPが8兆円、と理解していいんじゃないかな。これがゼロになればゲームオーバー。去年くらいからガリガリ削られている。
ドイツ銀、中国投資に失敗
事の発端は、2012年頃のギリシャ危機。欧州マネーが行き場を失った。
そんなときブイブイ言わせてたのが中国で、ドイチェは真っ先に中国客を狙ったのだった。
中国はバブルだし、一般的な金融商品でデフォルトしたことがない。
だがデフォルトは起こった。ドイチェの上客、華夏銀行だ。投資家への被害は食い止められたが、ドイチェがリスクを被ることになった。総額7000億円のダメージ!
ドイツ銀、デリバティブしすぎだってよ
ドイチェといえば、おとなしい欧州系の中でも米国と張り合ってきた「攻め」の銀行。リスキーなデリバティブが大好きだ。
デリバティブは未来に投資する先物。さらに元本よりも大きな金額を賭けられる特性(レバレッジ)がある。儲けもリスクも大きい金融商品だ。
よりにもよって、ドイチェはかなりの額を中国に突っ込んでいるという。その額、数兆円とも数百兆円とも言われる。
なんでそんなリスキーなことをしたかというと、ドイツが国をあげて中国市場を狙ったからだ。メルケルがやれって言ったのだ。メルケルが!
パナマ文書と火消し
すべてが明るみになったのはパナマ文書だった。
あれ?ドイチェと付き合ってる中国の会社、やばいとこばっかじゃね??
とうとうドイチェは訴訟訴訟の毎日になってしまった。客が「どういうことやねん」と叫びだしたのだ。
客は集団で訴訟を起こしたり、各監督庁にチクったりした。どの訴訟も、負ければとんでもない罰金が待っているが、そもそも訴訟費用だけで何千億円のダメージ!
そこに最後の大打撃。どうやら米司法省が要求する罰金が1.4兆円らしい。。
もはやHPが半分くらいになるのは誰の目にも明らか、という感じだ。
不安による負のスパイラル
もうドイチェがかわいそうなんだけど、最後にもうひとつ。
潰れそうな銀行の債権はけっこういい利回りで売れるのだ。これが銀行同士で売り買いされている。詳しくはバーゼルⅢを検索!
この劣後債は潰れそうな銀行のHPを回復させ、リスクを分散する効果がある。
ただ、あまりにもリスクが大きいと買い手がつかない。
そういうわけで、みんなでドイチェ菌ゲームをやっている状況だ。イジメ反対!
誰かがドイチェに道連れにされるか、あるいはみんなで仲良くダメージを食らうか。
不安がどんんどん負の方向に向かわせる。
まとめ