2016年に読んで良かった経済本4冊(本気でオススメ)

昨年はトマ・ピケティの 21世紀の資本 が大ブレークして、2016年も引き続き格差や貧困が大きなテーマとなりました。

個人的には 「学力」の経済学 がヒット。経済本ではないけど 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え と同じことが書いてある部分があり、めちゃめちゃ納得感がありました。

経済・金融って遠いところにあるイメージだけど、全然そんなことないんですよね。

はてさて、今回は2016年の経済本で面白かったものを選んでみたいと思います。専門書は除外。総合ビジネス書も除外。経済や金融に関係ありそうな本だけ紹介しますー。

 

「決め方」の経済学

「決め方」の経済学―――「みんなの意見のまとめ方」を科学する

「決め方」の経済学―――「みんなの意見のまとめ方」を科学する

 

2016年はブレグジットと大統領選があった年。「決め方の経済学」は様々な雑誌で絶賛されていましたね。今年のビジネス書ランキングでもトップに入るのでは。

でも本書が面白いのは、決め方=選挙の本じゃないってところです。

「決め方」は2種類あるのだそうです。それが「投票」「市場」。言われてみると、確かに。市場ってみんなで「決める」メカニズムなんですよね。

個人的には、金融アルゴリズムに置き換えて読んでいくことでかなり楽しめました。同僚にもめっちゃ勧めてる本です。

金融本では学べない本質的な内容かも。超オススメ。

 

人口と日本経済

人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)

人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)

 

人口減少=経済衰退という短絡的な思考に喝をいれる本。

人口は減り続け、2015年には日本の人口は1億人以下になる。もはや移民を受け入れるしかないのでは…。

いやいや、それは違うでしょう。本書の主旨は、国の成長は人口ではなく生産性に起因しているということです。

言われてみればその通り。歴史を振り返っても、人口が増えた国が繁栄するのではなく、銃や蒸気や飛行機を作った国こそが繁栄するんですよね。

読みながら、「その通り!」と思ってしまう場面が多々ありました。

新書だからサクッと読めますし、これを読んでいないエコノミストは一人もいないでしょうね。人口政策について語る前に必ず読んでおきたい一冊。

 

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲

 

ダニエル・カーネマンに天才と言わしめた人物による、行動経済学の回想。ユーモアに富んでいて読んでいて面白い。

文系と理系の間で立ち位置の無かった学問が、政策に影響を与え、アカデミックの世界に認められるまでの闘いが描かれています。ちょっぴり笑える感じで。

後半からはかなり金融の話になり、仕事にも応用できる章が多々あり。

アノマリーミスプライシングはなぜ起こるのか?そのデータだけでなくメカニズムを明らかにする。

 

金融政策の「誤解」 

金融政策の「誤解」 ―― “壮大な実験

金融政策の「誤解」 ―― “壮大な実験"の成果と限界

 

日銀やアベノミクスについて語るとき、あなたはどれだけ金融政策を理解をしているでしょうか?

世の中には日経新聞のコラムさえ読まずにリフレQQEといった言葉を使ってそれらしく語る人が多くて辟易します。

頼むから、ちょっとくらい金融政策のことを学んでから意見してくれ。

そこでオススメしたいのが本書。日銀の中の人(元・日銀理事)が語る金融政策の本質。早川さんが書いた金融政策の本、というだけで必読。

 

難しそう…って感じた人には下記の記事をオススメしておきます〜

bestrgrds.hatenablog.com