2017年、日本株について知っておきたい基礎知識
以前、このようなエントリがあり話題になりました。
一般投資家は日本株を買うべきではないという主旨です。その理由として、意味不明な株主優待制度、投資家への配慮に欠ける税制、市場の小ささ、日銀の介入を挙げています。
本当にその通りなんですけど、違う見方もあるかなぁと思いました。実際に金融業界に身を置く人間の感想を書いてみたいと思います。
あくまでも個人的な見解だし、「そーゆー見方もあるのね」くらいに読んでもらえれば幸い。
日本株の特性
金融商品の性格と言ったりするんですが、株にも傾向があります。一般的に、日本株は世界の景気の影響を受けやすい性格があると言われています。
外人も”JapanはSensitiveだ”と言います。よく言うのが”export-sensitive”で、輸出が多いので為替に敏感てことです。
海外株は純粋に企業の業績を重視しますが、日本株は世界の政治・経済のアオリを受けやすいのです。
それってすごくダイナミックじゃないですか?そりゃあみんな経済新聞を読むよね。
日本株を避ける理由
2016はBREXITと米大統領選がありました。そして不安と希望が向かった先は、Sensitiveな日本市場。面白いことに、欧米の政治に一番反応するのは日本株なのです。(為替も)
むしろ海外株は政治との相関が薄いことで知られています。
例えば米国債の金利が変われば米債券市場には影響しますが、米株には影響しません。なのに。遠く離れた日本の株式市場が影響を受けるのです。
これをオカシイと言っても仕方なくて、プレーヤーはみんなそういう認識でこのマーケットで勝負しているのです。
となると、マネーが集中してプライスが上がるときは上がり、下がるときは下がる。
それが日本株なのです。これをリスクと見る人が多いみたいですけど、それだけチャンスもあると思います。
とりあえず上がる日本株
とはいえ、世界中の政治不安は尽きません。
トランプの就任は今月20日。すでに期待だけで値上がりしている銘柄が多く、今後の下落リスクにも配慮が必要。トランプは何を仕出かすだろうか。
さらに欧州も安定しない。まずは3月のオランダ総選挙。4月からはフランスが大統領選。9月にはドイツ議会選。イギリスは論外。
じゃあ中国は?今年の秋に共産党大会があります。
欧州も中国も数年に一度の大選挙が控えているってわけです。やばー。
…そんなこんなで、とりあえず日本株のポジションを取るのは当然でしょう。世界の投資家は、トランプの様子を見つつ、日本の株を買い漁っている状況です。
日本のマーケットは面白い
日本株は面白いと思います。そりゃあニューヨークやロンドンには及びません。
でも日付変更が早いだけならシドニー市場でもいいでしょうし、アジアっていう地域にこだわるなら香港やシンガポールも魅力的です。
それでも世界の東京がマネーに集まるのは、日本のマーケットが面白いからだと思います。
世界は任天堂を無視できないのです。
東芝も昨年一番値上がりした銘柄でした。
電通は問題を起こしつつも、高い評価が揺らぐことはありません。
トヨタなんかは輸出頼りのSensitiveな銘柄ですけど、高度なファイナンシングやオペレーションの整備をして為替対策をしています。
日本株はいいぞ。